【夏号】楽しい夏を!
クルマも通る道端を通りかかり、ふと足元を見るとセミのナキガラが転がっていた。
立ち止まり傍の公園の木々を見上げると、いまを盛りとセミの鳴き声が響き渡っている。
それを耳にしながら木下のナキガラや、役目を終えた空蝉をそっと拾い上げると、そのまま公園の草むらに移してやった。
そのままにして人や車に踏みつぶされたのではかわいそうだ。
日本列島に人間が住み着き、稲作を始めた頃よりも、もっと昔、そのはるか前から繰り返して来た、セミたちのいのちの継承の営みに敬意を表したい気分になった。
もしも日本の夏にセミが存在しなかったら、なんと夏の寂しいことか‥‥。
しかし、
そんな感傷にふけっている閑はない。今日は住吉っさんの夏祭り。
間もなく宵の空に花火の音が響き渡るはずだ “ドッーン♪♫‥”、
‥もしも日本の夏に花火がなかったら、何と夏の寂しいことか‥‥。